入試突破のカギは"目標の因数分解"だ!!
- 高石 司(ライブラ代表)
- 2020年1月7日
- 読了時間: 8分
更新日:2022年1月25日

こんにちは。
当ブログでは、皆さんの日常の勉強活動に役立つ情報を案内しております。
記事作成者

大学受験専門の個別指導塾
ライブラ京橋校担当|高石 司
関西大学(社会学部メディア専攻)卒
関西有数の大手進学塾にて新卒1年目より新規開校校舎長を担当し、(当時)全54校中1位の校舎成長率を達成。エリアマネジメント職を経て2019年に独立し、ライブラ京橋校を設立。
塾外での正しい勉強習慣を定着させる「楽して学力を上げる学習指導」に注力し、関関同立・産近甲龍を中心に毎年多くの合格者を輩出。
本日のテーマ|入試突破のカギは【課題の因数分解】だ!
【はじめに】
◆ 因数分解=課題の細分化
◆ "伸びない勉強"にハマってしまう
◆ 因数分解は志望校合格の強い味方
【まとめ】
【はじめに】
「なんのこっちゃ...因数分解って数学のことでしょ?」
と感じた方もいらっしゃるかと思いますが、話はそれほど単純ではありません。
新学期がスタートし、これから本格的にテスト勉強や学習習慣と向き合うことになる高1・高2生はもちろんのこと、入試直前期の受験生にとっても意義のあるテーマとなっております。
最後までお付き合いいただけましたら幸いです。
「いま皆さんが取り組んでいる勉強、正しく因数分解されていますか?」
◆ 因数分解=学習課題の細分化
そもそも因数分解って、どういう作業なのか確認しておきますね。
2、3、5、7、11、13...のように、「1と,その数字以外の約数を持たない数」のことを素数といい、「他にも約数がある=素数を複数個かけ合わせてできた数」を合成数というのですね。
(専門的な定義づけとは少々ズレているかもしれませんが、ここでは割愛させていただきます)
因数分解とは、「合成数を素数のパーツに分解する」という作業を指します。
(専門的な定義づけとは...以下略)
言い換えれば、因数は「合成数を構成するパーツ」のような概念と捉えられます。
この数学上の作業を、皆さんの日々の勉強にも適用しましょう、というのが本記事の趣旨となります。
◆ "伸びない勉強"にハマってしまう
とはいえ、急に【学習課題を細分化しましょう】 と言われてもピンとこない方も少なくないと思います。
ひとつ、具体例をお話しします。
これから大学入試に臨む全受験生のうち、おそらく7割以上の方が入試科目で【英語】を課されると思います。
もちろん受験する大学にもよりますが、多くの大学の入試問題で難解な【長文読解】【整序問題】【英文和訳】【条件英作文】といった様々な応用力を問われるでしょう。
そんな中で、英語が苦手な生徒が"やりがち"な勉強は
「長文が出るからもっと長文読解を解かなきゃ...」
「文法は苦手だから、たくさん練習しないと...」
といった、出題形式をそのままトレースした演習量の確保だと思います。
ですが、冷静に考えてみてください。
そもそも英語を苦手とする生徒が、英文そのものの構成要素である単語や文法をきちんと身につけていない状態で、入試当日に初見の問題が解けるようになるでしょうか?(反語)
ズバリ、皆さんは最終的に、【初見の問題を解く力】を鍛える必要があります。
学校の定期考査とは異なり、入試問題では「以前どこかで見たことのある問題」はほぼ出ないと考えてください(とはいえしばしば遭遇しますが...)。
ですから、皆さんはその場(=試験会場)で初見問題の内容をスピーディーに理解し、作問者の問いに対して的確なアンサーを用意・作成する実力を備える必要があります。
結果として、上記のような学習方法(いわゆる入試問題の類題演習)は、取り組むタイミングを間違えると極めて学習効率の低い勉強になってしまうのです。
問題の構成要素を正しく理解できないまま演習量だけを重ねても、決して自分のモノにはなりません。
まさに"やっても伸びない勉強"と言えるでしょう。
バッティングセンターに通ってガムシャラにバットを振るだけでは、実際の試合でヒットを打てるようにはならないのと同じです。
通い始めのころは多少の技術の上達が見られるかもしれませんが、すぐに頭打ちしてスキルが伸びなくなります。
◆ 因数分解は志望校合格の強い味方
言うなれば、皆さんは入試本番で非常に難解な因数分解を求められるわけです。
今まで見たことのない数(式)を、持ち前の知識や計算力、公式等を存分に活用することで分解し、処理可能な単位の因数に置き換えて、構成要素を正しく取り出すことが、すなわち入試(応用)問題を解くという所作なのです。
ですから皆さんは、自身の志望校過去問を初見で解くために求められる因数を正しく把握し、確実に身につけておく必要があります。
たとえば、近畿大学を一般入試で受験しようとしている高3生(既卒生)がいたとします。
この記事を読んでいる学生の中にも、該当する方がいるのではないでしょうか。
もし、彼・彼女が「高3(受験する年)の11月1日時点で、システム英単語(5訂版)の2章までの単語を90%以上の精度で暗記(スペル→和訳)できていない」とすると、入試過去問の長文問題はおろか河合塾の全統マーク模試の長文ですら、初見でまともに内容理解が出来ていないはずです。
これは過去問で安定して合格最低点を確保できないことと同義ですから、じきに行われる公募推薦入試も芳しくない結果となるでしょう。慈悲はありません。
これは、大学入試レベルの英語長文という"非常に大きな数のかたまり"を正しく因数分解できないから起こります。
文中の英単語やイディオムといった基本語彙において未習得なものが多く、文構造も正しく把握できないから"文の切れ目"が分からずに、初見での内容理解が進まないのです。
1つ付け加えておくと、近畿大学の英語は比較的易しめで、大学の人気も高いことから高得点勝負になりがちです。
ここで得点ムラが大きいのは致命的と言えるでしょう。
ところで、「長文問題をたくさん解けば、文中の英単語や文構造もいつか読めるようになるのでは...?」と考える方もいらっしゃるかと思いますが、確かにそのとおりです。
しかし、"大きなかたまり"をそのままのサイズで飲み込むのは膨大なエネルギーが必要ですし、何より消化(=知識の定着)にもよくありません。
「ご飯はよく噛んでから飲み込んだほうがいい」のと同じです。
結局、工夫なしに長文問題をたくさん解いて英語のスキルを伸ばそうとするアプローチは、"かたまりを小さく切り分けて"から飲み込むのと比べて余計に時間がかかってしまいます。
全体の勉強時間をなるべく短く済ませたいなら、「とりあえず実践演習をやる」という一見効率の良さそうなアプローチは悪手です。
もちろん、深く考える(=噛む力そのものを鍛える)ことも学習プロセスにおいて極めて重要です。
「入試直前まで実戦演習を一切排除しましょう」という偏ったアプローチにならないよう、注意が必要です。
入試問題であれ定期テストであれ、まずは最終的な達成課題を明確にして、どのような因数が求められるのか分析することが肝要です。
先ほどの近畿大学の英語を例にとってみると、過去問をじっくり観察することで、受験生が入試当日で初見の問題を解くために必要な因数が見えてきます。
→[システム英単語(改訂新版)の1〜2章を95%,3章と5章を90%]の精度で暗記する
→[ネクステージの文法と語法を90%/イディオムを80%]の精度で暗記する
→[速読英単語(必修編)を左ページのみ読んで粗方和訳できる]
この程度の因数を身につけておけば、過去問を複数回、丁寧にこなすことで難なく合格水準(正答率8~9割)に到達する得点力が身につくはずです。
逆に、上記程度の基礎知識を習得していない状態で、近畿大学の入試過去問(無論入試当日も含めて)にチャレンジすることは極めて無謀であり、これまでの学習計画に重大な問題があったと考えられます。
言うまでもなく、皆さんが受験する大学や学部によって、要求される知識量は全く異なります。
また、英語に限らず全ての科目において学習課題の因数分解をすることが可能です。
皆さん一人ひとりが、自身の学習目標を(仮決めでもいいので)立てて、最終目標を達成するための具合的な課題をリストアップしましょう。
学習課題を正しく因数分解できれば、あとは期日を決めてスタートするのみです。"計画倒れ"にならないよう、継続できる環境づくりにも気を配ってくださいね。
【まとめ】
以上が、入試突破のカギは【課題の因数分解】だ!に関する解説でした。
「過去問やってるけど各科目の点数のムラが大きい...」
「なかなか合格最低点まで伸びない...」
「自分なりに勉強やってるけどあんまり成績変わらん...」
上記のような悩みを持つ生徒の多くは、学習課題の因数分解が上手ではない可能性があります。
ちなみに自塾ライブラでは、受講生一人ひとりの達成課題に合わせた勉強習慣のサポートを徹底しております。
誘惑に負けがちで、筋金入りの勉強嫌いの方は、一度お問い合わせしてみるのもいいかもしれません!(ダイマ失礼)
そして、最後に。
もしかしたら、多くの人が「勉強時間と学力の伸びは比例する」と考えているかもしれませんが、実際は全然そんなことありません。
どんなに勉強時間を増やしても、優先的に取り組む課題リストや学習を継続する環境が整っていなければ、グラフの傾きはほとんど平坦なままです。
[ y=0.1x ]のようなグラフをイメージしていただければ分かりやすいと思います。
x軸が勉強時間で、y軸が皆さんの学力の伸びです。
いくら勉強しても、ほとんど学力が伸びないのがわかると思います。
逆に、学習課題の因数分解が上手で、勉強に集中しやすい環境を整えることができれば、短期間のうちに学力グラフを急上昇させることも可能です。
勉強時間を伸ばす前に、まずは傾き(効率)を徹底的に意識しましょう。
「効率ばかり考えてるからやる気が出ないんだ!とりあえず勉強を始めろ!」
みたいなことが、いろんな場面で叫ばれていますが「そんな正論で勉強できるなら、こっちは困ってないんだよ!!」って感じです。個人的には。
ライブラは、皆さんが最高の高校生活を送って、笑顔で卒業し、第一志望の大学で一人ひとりの夢を実現できる未来を、心から応援します。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、今回も最後までお読みいただき誠にありがとうございました!
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