top of page
ブログ: Blog2

大手個別指導塾の季節講習会受講は必要か

  • 執筆者の写真: 高石 司(ライブラ代表)
    高石 司(ライブラ代表)
  • 2020年3月18日
  • 読了時間: 6分

更新日:2024年6月14日


ree

こんにちは。


当ブログでは、皆さんの日常の勉強活動に役立つ情報を案内しております。




本日のテーマ



ほとんどの個別指導塾で実施される"季節講習会"

 →受講生にとっての意味と意義について考える



記事作成者



ree

大学受験専門の個別指導塾

ライブラ京橋校担当|高石 司

関西大学(社会学部メディア専攻)卒


関西有数の大手進学塾にて新卒1年目より新規開校校舎長を担当し、(当時)全54校中1位の校舎成長率を達成。エリアマネジメント職を経て2019年に独立し、ライブラ京橋校を設立。

塾外での正しい勉強習慣を定着させる「楽して学力を上げる学習指導」に注力し、関関同立・産近甲龍を中心に毎年多くの合格者を輩出。




大手個別指導塾では【春期】【夏期】【冬期】の年3回、原則必須受講という名目で通常授業にプラスされる形で季節講習会が実施されています。



個別指導塾に通われた経験がある方はご存知かと思いますが、"ここがかき入れ時!"とでも言わんばかりに、普段は受講していない科目や既習単元の復習プランをドシドシ提案して、授業用ブースをパンパンにしながら校舎運営を行う、各校舎の一大イベントです。



実はこの季節講習会というイベント、校舎によっては年間売上の3〜5割近くを賄っているところもあって、実際「各生徒に1コマでも多く受講してもらおう!!」と校長をはじめスタッフ一同も躍起になって運営しています。



また、各校舎には「講習会売上予算」というものが本部から事前設定されています。

(お仕事をされている親御さんは一気に現実感が増すかと思いますが...)



その売上数値を下回ると管轄の上司から後でボッコボコに詰められることも少なくありませんから、講習会予算を達成することは社員にとって死活問題でもあるのですね。



学習塾のちょっとした闇の部分です。





さて、そんなイベント感満載の季節講習会ですが、当塾では「季節講習会の必須受講を完全撤廃」しています。



受講相談を行うのは、長期休み明けの定期試験が卒業後の進路選択に直結する場合や、短期間で一時的にでも学力を伸ばす必要がある一部の生徒のみです。



多くの塾が必死になって講習会スケジュールを1コマ単位で調整しているなか、「お前は学生のこと考えてないのか?!」なんて言われそうですが、実際はその真逆です。



講習会を必須化しないのは、ほとんどの個別指導形式の季節講習会が、受講生徒の長期的な学力向上に寄与しないことを身をもって知っているからです。



遅くなりましたが、ここで本記事のテーマに"僕なり"の回答をさせていただきます。



「個別指導のほとんどの季節講習会は大して意味ありません。」






ちょっと想像してみてください。



皆さんは、「定期テスト1週間前」に差し掛かると、テスト当日に向けて普段はやらないような勉強時間や学習内容に取り組んだ経験があるはずです。



普段は宿題以外の勉強はしない生徒でも、テストで悪い点をとるわけにはいかないから、ワーク演習や教科書の復習にせっせと勤しんだこと、ありますよね?



さらに、定期テストをそこそこの点数で切り抜けたあとは、また「次のテスト1週間前」まで宿題以外の勉強はやらなくなる...という生活サイクルに戻りますよね?そうですよね??



そうなると、テスト前の1週間そこそこで身につけた学習内容なんて、その後1〜2週間もすればたちまち吹き飛んでしまうわけです。



皆さんは経験ありませんか?僕はめっっちゃあります。



結局のところ、ほとんどの生徒はわざわざ数万〜数十万円の追加受講料を払って、これと同じことをやっているに過ぎないんです。



「これまで塾の提案どおり大量の講習会を受講してきたけど、成績が今ひとつ伸びない...」



という悩みの最大の原因は、「塾の提案どおりに季節講習会を受講してきたから」に他なりません。



もう少し突っ込んで言えば、「塾に言われたこと以外の勉強はしてこなかったから」です。





ぶっちゃけた話、普段の学習習慣が身についていない科目を「次の講習会で出来るようにしましょう!」などの甘言に流されて、結局ほとんどやらないままにするから自立学習のスケジュール管理が崩壊するのです。



ただでさえ他科目の勉強も忙しいのに、普段ほとんど触ってない科目が講習会期間だけで身につくわけがないのです。



たまに、難関の国公立大学に合格した生徒が「共通テスト対策は直前の1ヶ月で詰め込みました〜」とか合格体験記で語ってますが、あれ、当たり前ですけどその遥かに前からめっちゃ勉強してますからね



共通テストの「出題形式」に1ヶ月間だけコミットしただけで、知識の整理と基礎演習は高3の春から飽きるほどやっています。





そんなわけで、生徒の長期的な学力向上を心から望んでいる学習塾であれば、個別講習会の受講提案はあくまで「おまけ」程度になります。



生徒の志望校と現状の学力状況に合わせた[入試全科目]の年間ベースの学習カリキュラムを入塾時に作成して、その後の成績推移を照らしながら都度修正するのが【本来のコトバどおりの個別指導】だと、筆者は考えています。



その労力を割かずに、いざ講習会直前になって「今回はこれだけ講習会コマを取ってください!」「全コマ取ってくれないと志望校合格の保証はできません!」というのは、少々"殿様商売"が過ぎる気がしませんか?

(※これ以上突っ込んだら各所から怒られそうなのでこの辺にしておきます)



もちろん、全ての個別講習会が全くの無駄になるわけではありません。



例えば「普段受講していない"得意科目"の理解を深めて、応用思考力や得点力を伸ばす」というアプローチに関しては、個別講習会の活用は有効でしょう。



自力で問題集の解説を読んで、その中で納得のいかない部分を都度クリアにすることで、自主学習スキルをググッと高める効果があります。





ちなみに、生徒・保護者側が季節講習会の正しい使い方を知らないというケースも少なくありません。



たとえば「この科目の勉強の仕方が分からないから個別講習会でみっちり教えてもらう」というニーズを耳にしますが、そんなもんは1対1形式で1コマ分(80〜90分)もあれば十分ですし、科目知識の基礎の基礎から身につけるのであれば映像授業を用いた方が圧倒的に学習効率が高いのです。



あとは「うちの子、先生が横にいないと勉強できないんですよ〜」とかつい言っちゃう保護者の方。



その原因は、あなたがそうやって子どもの"キャラ"を刷り込んできただけです。



子どもって素直だから、そんな風に言われたら"そうなる"んですよ。根が優しい子ならなおさら。



【具体的な目標】と【適切なレベルの課題】さえあれば、ほとんどの子がきちんと自立学習できます。講習会を受講する前に、まずは目標設定からはじめましょう





学習塾運営における最優先事項は、紛れもなく皆さんが第一志望校に現役合格することです。



その結果、"季節講習会の必須受講"というシステムは、長期的な学力向上を目的とした「生徒ファーストの制度」ではないと結論づけています。



今現在、季節講習会を受講している高校生も沢山いるでしょうから、最後に大事なことを伝えて本記事を締めたいと思います。



▶︎ 講習会はあくまで"道具"です!

▶︎ 上手に使いこなせなければ、無駄になったり、下手すれば大怪我をします!下手すると成績下がります

▶︎ 1から全部を講習会に頼ろうとせず、まずはその科目の基礎知識を自力で固めてみてください!



少々厳しい言い方になりましたが、皆さんが望む進路を自らの手で掴めることを心から応援しています。



今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

コメント


bottom of page