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今年の共通テストから考える「受験生がこれからすべきこと」

更新日:2022年2月10日



こんにちは。


当ブログでは、皆さんの日常の勉強活動に役立つ情報を案内しております。




本日のテーマ



過去最低の平均点(数ⅠA)だった共通テスト

 →受験生が"今から"できる対策を考える


INDEX



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 前書き                

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 受験生が現時点でできること      

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 まとめ                

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記事作成者



大学受験専門の個別指導塾

ライブラ京橋校担当|高石 司

関西大学(社会学部メディア専攻)卒


関西有数の大手進学塾にて新卒1年目より新規開校校舎長を担当し、(当時)全54校中1位の校舎成長率を達成。エリアマネジメント職を経て2019年に独立し、ライブラ京橋校を設立。

塾外での正しい勉強習慣を定着させる「楽して学力を上げる学習指導」に注力し、関関同立・産近甲龍を中心に毎年多くの合格者を輩出。





 



           

前書き



先日実施された「令和4年度 大学入学共通テスト」。



特に2日目で実施された「数学Ⅰ・A」における出題分量の大幅な増加と、過去最低の全国平均点を記録したのは非常に印象深い出来事でした。



「数学なのに長文読ませるな」


「こんな試験で受験者の数学的能力は測れない」



試験直後から散々な言われようで、私自身も概ね同意見です。



しかしそうは言っても、今の高校2年生たちはもう「受験本番までのカウントダウン」が始まっています。



私を含めた全国の学習塾の先生方も、来年の入試に向けて自塾の生徒を安心させつつ、諸々の策を講じる必要に迫られているわけです



特に自塾のような、大学受験を志す生徒をお預かりする塾は「合格請負業」だと常々考えていますので、いわゆる場当たり的な指導は御法度、必然的に「出題傾向の分析と対策」の精度が物を言うことになります。



本記事では、今回の共通テストから個人的に考える「共通テスト受験者に今後期待される能力」についてまとめました。



少しでも今後の学習の参考になれば幸いです。



 

機械には絶対解かせたくない?



共通テストの問題に目を通した際、最初に頭をよぎったのがコレでした。



「アレクサ」「Siri」をはじめとしたAI技術が近年著しい進化を遂げていることは、皆さんもご存知のとおりです。



特に「ある特定の枠内における問題を解決する能力」という点では、AIは無類の強さを誇ります。



しかしその能力は、果たして「大学入試でも通用するのか?」



...気になりますよね?



実は、そのような実験的取り組みがつい最近(2018年)まで行われていました。



結論から言えば、2016年時点で「それなりに通用するレベル」まで進化しています



それなりとは言ってもベネッセ6月マーク模試・5教科8科目の偏差値【57.1】です。なかなかやりますね。



特に世界史Bは同模試で偏差値【66.3】を記録しており、関関同立やMARCHレベルの一部の学部であれば十分合格できる成績水準です。



非常に興味深いプロジェクトですので、ぜひ参照元のホームページをご覧ください。


【ロボットは東大に入れるか】




このプロジェクトの責任者である新井紀子さんは、自著「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」の中で、膨大な検証データとともに以下のように述べています。



高校生の半数以上が、教科書の記述の意味を理解できていません。これでは、8割の高校生が東ロボくんに敗れたこともうなずけます。記憶力(正確には記録力ですが)や計算力、そして統計に基づくおおまかな判断力は、東ロボくんは他の人より遥かに優れています。このような状況の中で、AIが今ある仕事の半分を代替する時代が間近に迫っているのです。これが、何を意味するのか、社会全体で真摯に考えないと大変なことになります。

※「東ロボくん」とは、同プロジェクトで開発されたのAIプログラムの名称です



この本を読むと、教科書に書かれている内容すら正確に情報処理できない高校生が、私たちの想像を遥かに超える割合で存在している事実に驚かされます



こちらも非常に面白い書籍ですので、学生も保護者も指導者も、ぜひご一読ください。


【書籍情報|楽天市場】




AIが苦手なモノは、高校生も苦手



AIが「深い意味解釈を伴う読解を苦手とする」ことは、パソコンやスマホの「自動翻訳機能」を利用したことがある人ならすでにご存知かと思います



しかし「膨大かつ複雑な文字・表データから有効な箇所のみを抽出し、抽象的な概念を書き出すタスク」は、AIのみならず多くの学生にとっても苦手な分野です。



今回の共通テストを作問担当したチーム(もとい文科省)の心の内には、「機械なんかに負けない学生になってほしい!」といった大義があることが垣間見えます。



もし実際にそうだとしたら、世間からの風当たりはさらに強まるでしょうが、来年以降も同様の出題形式が続くことは覚悟・想定しておくべきでしょう



そして来春に高2・高3を迎える人は、ほぼ確実に、共通テストの出題形式が定まりきらない「過渡期」に人生の節目を迎えることになります



...ちょっと大変そうですが、めげずに一緒に頑張りましょう。



 

傾向と対策と「学習意欲」の関係




「第一志望に現役合格したい!!」



もれなく全ての受験生が抱いている願望であり到達目標ですが、その実践モチベーションは時として大きく揺れ動くことがあります



それが「次に何をすべきなのか全く分からない時」です。



たとえばRPGスタイルのゲームをしていて「次のステージのボスは炎に弱いから、炎タイプのわざが使えるキャラクターを育てておこう!」とヒントがあれば、該当するキャラを中心に強化しながら物語を進めることができます。



そのキャラは次のボス攻略で間違いなく役に立つことが分かっているので、本来面倒に感じられる道中のレベル上げもそれほど苦になりません。



試験の傾向と対策が判明することで、学習者のモチベーションが形成・維持できる仕組みはおよそ上記のような例示で説明できます。



しかし先述のように、「大学入学共通テスト」の作問方針からは出題形式に則った定型的パターン演習による高得点化を何とか阻止しよう、という意図が見てとれます



行動経済学の分野における有名な知見の一つに、「考えるべきことが多くなるにつれて、私たちは何も行動しなくなる・デフォルトを維持する傾向が高まる」というものがあります。



目標がシンプルであるが故に行動に移しやすい、という心理的ロジックは多くの人にとって納得しやすい帰結ではないでしょうか。



結果として今回の共通テストは、これから受験勉強に向かわせる多くの学生の「心理的なハードル」を劇的に引き上げる要素となったのではないか、と推察しています。




 

受験生が現時点でできること




最後に、現高1・高2生が「今からすべき学習アプローチ」について、2点に絞って紹介します。




① 紙媒体の問題集・参考書を活用しよう



昨今、映像授業を主軸とした勉強スタイルの学生が劇的に増えています。



格安の月額料金で利用できるスタディサプリはもちろん、YouTube動画で各科目の分野別講義をいつでも無料で視聴できる時代です。



しかし、画面の定点を見つめて頭だけを動かすスタイルの勉強ばかりに慣れきっていると、肝心の紙ベースでの問題演習時に「目が滑ってしまい」、問題の中身がなかなか頭に入ってこないという事態を引き起こす可能性があります。



今後の共通テスト問題は、国語や英語に限らず、全ての科目において膨大な文字情報をスピーディに処理するスキルを求めるようになるでしょう



他人に解説されれば理解できても、最終的には初見で、かつ自力で問題を解けるようにならなければ意味はありません。



情報技術の進歩と逆行するようですが、紙媒体の参考書の解説をじっくり眺めながら、そこに書かれている論理構造を抽象的に理解する訓練を積むことが大切です



参考書の解説に対して「つまり、こういうことだよね。」と、自分の言葉で言い換える癖をつけるようにしましょう。




② 現代文の読解演習を積もう



高校生の8割が、実は教科書の記述の意味が理解できていない、という新井さんの記述に従えば、「まぁでも自分はきちんと読めているだろう」と安易に判断するのは危険です。



各々が教科書を論理的に読めているかを実際に確かめることは困難ですが、基礎〜標準的なレベルの読解演習に取り組むことで「記述されている内容を正確に読み取れているかどうかチェックする」ことは可能です



たとえば河合出版の「入試現代文へのアクセス」シリーズは、よくある各設問の正誤解説だけにとどまらず、"本文そのものの解釈"を丁寧に解説するセクションが設けられており、学習者が読み取った内容と意味的な齟齬がないか検証できるつくりになっています。



教科書の記述の意味が取れていない学生が、"あの"共通テストの分量を制限時間内に解き切れるわけがありません。



読解問題集の種類や出題レベルは各自で選んでもらって構わないので、文系・理系を問わず週に1題程度からコツコツはじめていきましょう。



 

まとめ




恐らく次年度以降の共通テストにおいても、各大問の出題形式に沿ったアドリブ的対応力と、基礎読解力の伴う高度な情報処理スキルが求められることになるでしょう。



とはいえ、受験勉強とは「与えたれた条件のもと、最終的なパフォーマンスを最大化させる方法を自考し実践するゲーム」のようなものです



ゲームであれば、やはり「道中もある程度は楽しめなければならない」と思います。



ルールにただ振り回されるのではなく、ルールの中で着実に成長する自分のステータスを見て、ガッツポーズしたりニンマリしたりすることが、毎日の継続の秘訣です



従来の「傾向と対策」に重きをおいた学習モチベーションの形成を追求するのではなく、自分自身の日々の成長を意識的に可視化することで、勉強そのものを部分的にでも楽しむことが必要だと考えます



「何をしたらいいか分からない=何もしない」という行動心理の落とし穴を回避して、一人でも多くの方が有意義な受験ライフを過ごせることを心から願っています。


 

▶︎ 第一志望に現役合格したいが、何からすればいいか分からない

▶︎ 大学に進みたいと思ってはいるが、なかなか目標が定まらない

▶︎ 部活やアルバイトで忙しいので、なるべく勉強効率を高めたい



上記のような悩みをお持ちの方は、お気軽に自塾|ライブラ京橋校までお声掛けください。当ブログの中の人が、皆さんの日々の勉強の最適化をお手伝いします。



またYouTubeチャンネルを開設していますので、本記事が面白かったという方は是非ご覧ください!

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